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家族なのに、なぜ相続権がないの?
 10年ほど前、豊中市在住のAさんのお父さんのBさんが亡くなったとのことで、相続登記の依頼を受けました。
 ご家族は、ご依頼人のAさん(55才)とお母さん(80才)のみで、他にお子さんはいない、とのことでした。
 早速、不動産調査をし、並行して、相続人確定のために戸籍の取寄せを始めました。
 亡くなったお父さんの戸籍を遡って取寄せをしていると、ある違和感を覚えました。
 なぜかというと、戸籍の記載は、通常どおり、お父さんが筆頭者で、その次に、お母さんの記載があり、その次にお子さんであるAさんの記載がありましたが、良く見ると、Aさんのお父さんの欄にBさんではないCさんが記載されていたからです。
 また、Aさんの欄には、Aさんが昭和〇年〇月〇日にCさんの戸籍から入籍した旨の記載がありました。(まさか?)
 戸籍の記載から、Aさんの本当のお父さんはCさんで、Aさんのお母さんは、Aさんが幼い時にCさんと離婚し、その後、Bさんと結婚して、その戸籍にAさんが入籍したことが分かりました。(ということは、Aさんは、Bさんの相続人にはならない!)
 たぶん、Aさんからすると、物心ついた時から、お父さんとお母さんがいて、当然、姓も同じの普通の家族だったので、まさか、Aさんがお父さんの相続人ではないとは、夢にも思わなかったのでしょう?また、言動から、お母さんも同一戸籍に入っているので、安心しておられたと思われました。
 このことをAさんとお母さんににどのように伝えるべきかを悩みましたが、意を決して、Aさんに、ことのすべてを伝えました。(さすがに、お母さんはご高齢でもあり、心臓に疾患がありましたので、そのことを伝えることはできませんでした。)
 Aさんの落胆は、気の毒な位でした。特に、養子縁組をしてくれなかったお父さんであるBさんの真意を計りかねているようでしたが、あることから、
BさんはAさんをご自分の子供さんとして愛しており、養子縁組をしなかったのは、同一戸籍に入籍しているので、相続権があるものと考えていたためであることが分かりました。
 結果、Bさんの相続人は、お母さんとBさんの甥と姪であることが判明しましたが、甥御さんと姪御に事情を説明すると、ある1名を除き、お母さんを相続人とする遺産分割が成立しました。その1名についても、努力の甲斐あって1年後に遺産分割を成立させることができ、自宅と事業所をお母さん名義にすることができました。
 最後の1名の遺産分割成立にAさんはご苦労されましたが、私のアドバイスも良くお聞きいただいて、あらゆる角度から粘り強く交渉されたことが功を奏しました。
 今考えれば、Aさんのお気持ちは、ご自分の今回の経験から「問題を次の世代に先送りせず、自分の代ですべてを解決しなければらない」という一心であったと思います。
| aoki-shiho | 21:59 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
遠方の不動産の相続登記“今昔”
 昭和50年前後(「日本列島改造論」の頃)または平成元年前後(平成バブルの頃)には、遠方に不動産を購入した方が多くいました。
 また、核家族化で地方から大都市へ人口集中が進み、地方にある不動産の相続手続きが進んでない方も多く見られます。
 私の事務所に相続登記を依頼される方の約2割程度の方が、ご自宅の相続登記に付随して、遠方の相続登記を依頼されます。

遠方の不動産登記をするには、
 昔は、まず、不動産調査を現地の司法書士に依頼するか、郵送で不動産の登記簿謄本を取寄せ、平行して相続人確定をして、書類を整えた後、現地の司法書士に「復代理」(依頼者の方から私が委任を頂き、同時に私が現地の司法書士に委任する形式)という、複雑で、時間も掛かり、しかも、費用も掛かる(現地の司法書士の調査費用と復代理費用が掛かる)方法によるしかありませんでした。(もし、復代理をせず、直接、私が現地の法務局に赴けば、日当等が余分にかかることになります。)
 現在はどうかと言うと、不動産の登記情報が事務所から取寄せが可能になり、また、登記申請方法が変更になったことにより、依頼者の代理人が直接(復代理申請ではなく)相続登記を申請することができるようになりました。
 特に、オンライン申請により相続登記を申請すると、登録免許税(登記のための税金)が最大5000円の減税ができるようになったので、時間も短縮され、しかも、費用も格段に軽減されることになりました。
 相続手続きは、時間が経てば経つほど複雑になります。
 思い当たる方は、できるだけ早く解決されることをお勧めします。
| aoki-shiho | 21:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
死後離縁と相続
 みなさんは、「死後離縁」という言葉をご存知でしょうか?
 「死後離縁」とは、養子縁組した当事者が、相手方の死亡後に離縁をすることです。
 なんでそんなことをするかと言うと、簡単に言うと、養親又は養子が死亡したからといって、当然には相手方との親族関係が消滅するわけではないからです。(たとえば、養親が死亡したからといって、養子と亡くなった養親との親族関係が解消するわけではないのです。)
 この場合、養子は、亡養親との親族関係を解消するためには、家裁の許可を得て、「死後離縁」をする必要があります。 
 それでは、養子が養親死亡後に
死後離縁をした場合、養子は、亡養親の相続人ではなくなるのでしょうか?
 意外と思われるかもしれませんが、
すでに生じた相続における相続人の地位は、「死後離縁」によって影響を受けることはありませんので、養子は、依然として亡養親の相続人であることに変わりないというのが答えです。
 なお、養親死亡前に離縁している場合は、当然ですが、養子は亡養親の相続人にはなりません。

 平成6年ごろ、懇意にして頂いている税理士の先生から依頼を受けた相続のケースが正にこのケースでした。
 Aさん(養親)とBさん(養子)が養子縁組をしていて、Aさんが亡くなった直後BさんがAさんと死後離縁していました。
 この場合、Bさんは、Aさんの相続人になりますが、Aさん死亡前に離縁していた場合は、BさんはAさんの相続人にはなれないのです。
 それ以来、私は、このようなケースを発見する度に、「相続人の確定」作業の基本を再確認し、戸籍謄本等公的書面を、常に新鮮な気持ちで、先入観を交えず読み取ることを肝に銘じております。
| aoki-shiho | 14:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
あるご夫婦の話
 平成3年の夏、私は、ある方からの紹介で、ご主人の遺言があるので、奥様への相続登記ができないか、とのご相談を受けました。 

 このご夫婦は、大阪市内で〇〇商を営む資産家でしたが、お子さんに恵まれなかったため、親戚筋から成人の男性と女性をご養子に迎え、二人を結婚させてお孫さんにも恵まれていました。
 ただ、家業を引退した頃から、ご養子さんご夫婦とは疎遠になってしまい、ご夫婦は、「小さな時から育てたわけではなく、成人になってから跡継ぎを決めるために迎えた養子との関係はむずかしいものだなあ。」と思われたそうです。

 ご主人の遺された遺言は、その財産をすべて奥様へ相続させるという内容の公正証書遺言でした。奥様のご希望は、この遺言書を使って疎遠になったご養子夫婦の力を借りることなく名義変更をしたい、とういものでした。
 ただ、その遺言には1点、所有者と遺言者が同一人物か否かを証明しなければならない問題があり、一苦労しましたが、なんとか無事、名義変更を終え、後日、権利書を奥様にお届けに上がりました。
 その時に、奥様は、「実は、私も夫と同時に遺言をし、私が死んだら私の財産はすべて夫に相続させる内容の遺言をしていました。」と私におっしゃって、ご自分の遺言書を私に差し出されました。

 私はその時初めて、このご夫婦が互いの将来を考え、一方が亡くなった時には他の一方がすべての財産を相続し、生涯に亘って人様を頼らず生きていけるように互いに遺言をしたことを知りました。
 このご夫婦とご養子さんとの関係は別にして、私は、このご夫婦の互いに対する深い思いやりに深く感銘を受けました。
 権利証をお渡しした帰り道、何か暖かな気持ちになったことを今でも思い出します。
| aoki-shiho | 17:15 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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